ほたりん


ビーチサイドほたるちゃん

うさPハウス1/8スケールレジンキャストキット


99年夏のJAF-CON8にて入手。原型:相田和与師。


水着姿のほたるちゃんは番組中の設定にはない、相田師のオリジナル。

原型師自らおっしゃっていたことなので構わないと思うが、この作品から受けた第一印象は「薄幸そう…」。
「幸薄そう…」と読み替えても一緒ですな。『ナニも海水浴に来てまで自分の存在と世界の行く末を憂うことはなかろうに』という感じでありました。それではちょっと可哀想なので、精一杯明るくなれるように努力。
前髪が顔に被っていてそれが暗い感じの一端に思えたので、裏側をかなり大胆に削り込み、まゆがよく見えるようにする。表情は明るめに、でもあんまりやりすぎると誰だか判んなくなっちゃうので程々に。何とか「引っ込み思案」レベルまでにできたと思っているのですが、如何なものでしょうか。


水着は作例では無地のペールパープル一色だったが、ソレもいささか華がない。かといってあまり派手なのはほたりんらしくない、小紋なんかは塗るのがメンド臭い…と悩んだ末、セラムンで初期(まだ3人しかいなかった頃)に亜美ちゃんが着ていたものの色違いに決定。ベルダンディも似たような水着を着てましたな。あちらは赤白だったけど。
…紺色に塗って名札をつけたい誘惑に駆られたことを、ここに告白いたします。神よお赦し下さい。

パーカーなんか羽織っていたりするとキャラ的にはバッチリ、とか思ったけどそんな技量があるはずもなく、思い付かなかったフリをして見送る(ダメダメ)。


この作品から「サフレス」塗装にしてみた(以下にその詳細を)。
何分初めてのことゆえ、大ピンチも1度か2度…塗料が食いついてなくて、背中と水着の塗装がごっそり剥がれた時は、流石に全部塗り直しかと思いましたですね。よくリカヴァーできたと自分で感心しましたよ。



この作例より塗装方法の変更をした。

一般的にはレジン素材→型ズレ、気泡のパテ埋め→サフェーサー(下塗り。表面のキメを整え、また浅い傷を埋める。残った傷やバリ線を見付けやすくする効果もある。グレーが一般的)→白下塗り(グレーなどにイキナリ淡い色を塗っても、ちゃんと発色しない。そのための中塗り)→肌色と重ねるのだが、これからはレジン材の段階で表面を整えて、レジン素材→プライマー(密着材)→肌色と工程を大幅に短縮した。

この工法は、肌色の下にレジン材の素の色が透けることにより肌の透明感がキレイに出せるので、最近用いられることが多くなってきているのだが、個人的にはそれよりも作業時間の大幅短縮の効果の方が大きい気がする。

実際、上塗りまでの作業というのはあんまり楽しくない。パテを盛っては削り盛っては削り、サフ吹き、あっ、ここまだ気泡残ってた、埋めて削ってまたサフ、ぐあっ、ここもバリ線残ってるっ、また埋めて削ってサフ、へぐはぁっ、最初に盛ったとこ削りすぎちまったぁっ!…てな感じで、ハッキリ言ってこの無限地獄を楽しめるほどワタクシ人間が出来ていない。今まで1体作るのに半年なんてのも珍しくなかったが、たいていはこの工程でイヤになってしまい、ほっぽって置くゆえのことであった。
サフ工程を廃止した場合、やる気が高い状態のうちに肌塗りまで進めることができる。そこまで行けばあとはこっちのモノ。あとは楽しい作業である。

当然、その分多少の手間は必要になる。色のついたパテなんぞ使えないから、大きな段差は白いポリパテ(ワークの『スベスベ』。これって硬化剤が透明なので、主材との混ざり具合が目視で判らないゆえ結構気を使うのだが)を使い、気泡や小さなキズは瞬着で埋める。白や透明でもレジン(アイボリー)とまったく同化する訳ではないので、補修個所は白サフベースで調色した「レジン色」サフもどきを被せる。

キズのチェックは見えにくい分多少念入りに。特に濃い色で塗る部分はバレやすいので注意する。この段階でオーケーとなった場合でも、実際には見落としているキズもあるだろう。もしグレーのプラサフを吹けば結構見つかると思われる。だが、グレーのサフ状態では見える傷が、完成した状態でも見えるとは限らないのだ。そこに無限地獄の入り口が大きく口を開けていたのである。

プライマーは、自動車補修用のホルツ・バンパープライマーを使用。この工法である意味一番念入りにすべきなのがここ。塗り残しのないように。塗料自体の密着力はあんまり期待できないので、素材と塗装を繋ぎ止めておけるのはプライマーの気合のみ。
『プライマーが命綱』である。

あとは普通に塗るだけだが、折角レジンの透明感を生かせるのだから、肌色はなるべく薄く、クリアを多めに。ファンデーションをごてごて塗った肌色みたいにしたんでは、この工法の意味が半減するので避けましょう。

ただコレ、当たり前ではあるけれどアイボリーや白の成型色でしか使えない。トンデモない色で抜いてあったり、あまりに型ズレが大きくてパテ埋め技術総動員なキットの場合は、素直にサフを吹くほうが賢明でしょう。


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